凪いでいる瞬間が、僅かでもあっただろうか

見つめ合ってからずっと、そんなものは

 

 

ただひたすらに揺らいでいて、そこにあると知っているはずだった。

私にとっては他の何とも比べるものではなくて、そんな俗に落とし込みたくはなくて、ただただそのままだった。

 

同じでしょうあなただって

 

呑み込まれて、渦の中は心地良くて、ああこのままでいいかなぁなんて。

息苦しさが堪らなく愛しくて。

 

グダグダやってるの、ださかったよね、でもださくてもいいかな幸せだななんて。

 

辞めたのはそっちじゃないか。

 

安っぽいなぁ。本当、最高に安っぽくて馬鹿みたいに酒がすすんでしまうよ。

 

安っぽいついでにさ、もっとくだらない話に成り下がりたいんだ

クソダサいその行動、見てて痛々しいくらいにやり返していいかな

 

 

久しぶりに自己紹介でもしようか

何が変わって、何が変わってないの

 

ずっと私は、ふらふらしてる

大切な事を、敢えて言わないような捻くれ者だよ

近づき方さえ間違えなければすぐに溶きこまれるよ

割と楽しんでるけど、割と面倒がっていたりもするのよ

 

パールだなんておこがましい

そんな風に見えてくれて光栄でしたよ

 

 

自分で立てるようになったからさ、その場所を観に行きたいんだよね

 

私は私で勝手にぷかぷか浮かびながら、

ああ、早く見える位置にならないかなぁ楽しみだなぁって思っていたのに

 

わざわざ渦を作ろうとしないでよ

気持ちよく待っていたのにさ

 

あーあ、浮かんでるだけじゃもうわからなくなってしまった

 

泳ぎたくはないのに泳がないと

 

綾の一端にそのまま居させてくれたら楽なのに

 

どうにも掻き乱すの、好きなんだね

本を置くスペースがもうない。

買うだけ買って読んでいない本が積み上がっている。

粗雑なその空間が嫌いじゃない

 

 

 

最近やけに、言葉が出てこなくなった。

私を表に出すそれが見当たらなくなった。

 

だから、適当に吐き捨てる

悪くないんじゃない?少し苛つくけど。

 

 

内にあるものしか、確実に在るものしか出ないのだよ。そんなものだよ

 

文字は広くて狭い。

言葉にすると一つしか表せない。

 

それでも私が私を読むための足掛かりにはなる、'作者の気持ちを答えなさい'

 

あぁ、そういえば前にも同じようなことを思ったな。

私はもっと、鋭利な言葉を刺し続けていたのに、と嘆いていた。

 

そうか、日々私は膨らんで居たけれど、わかりやすい変化はここに在るのだね。

 

在るのなら、表にも出せるね。出そうと思えばね。

 

 

 

手抜きを覚えた。

息がし易くなった。

 

誰のための緊張だったのか、今の私は私の為だけに動いている。最高の気分。

 

 

読んでない本はそのままでいい。

私が選んで、私の空間に追加した事実だけでいい。

そのうち気が向いたら読むよ。手放す前には必ず

 

読みかけの本もたくさんあるな。

酔ながら読んでたものもたくさん、内容説明できないようなものも。

 

 

どこで巡り巡って私のところへ来てくれたのか知らないし、大切にしていないけど、愛してはいるよ。

 

私は、私が選んだものはすべからく愛しているのよ。

 

人生の辻褄が合ってきた。

「私らしさ」ってかわいらしい響き、くすぐったいような、いじらしいような。

 

ね、私らしくなってきたね。

無題

3年ぶりに見た祖母の肌は綺麗で、閉じた瞳のまつ毛は相変わらず長かった。

少しだけ頬がこけただろうか、横たわっているから肉が流れているだけかもしれない。

でも、きっと痩せたんだろうし、体も細く小さくなったような気がする。最後に会った時もこんな感じだったっけかな。

 

まじまじと顔を見ても、やっぱりその長いまつ毛とくっきりとした鷲鼻は印象的で父に似ていた。

父にも似ているし、姉にも、兄にも、私にも似ていた。

こんなにちゃんと顔を見たのは久しぶりだった。

 

知らせを聞いた時は、なんとも言えない気持ちで、悲しいと心から思えなかったことが少し寂しかった。

 

幼稚園の頃は思い出せなくて、小学生の時は友達みたいな人だった。

父と母には内緒でたくさんお菓子を買ってくれて、父と母に怒られるから出来ないこともたくさんやらせてくれた。

サンタクロースの正体に気付いた時、祖母に相談したら

「ばあがパパとママに聞いといてやるから、心配しないで。聞いてみるからね」。

その翌日、

「やっぱりパパとママは違うって。サンタさんはちゃんといるんだよ」

と教えてくれた。

 

中学に上がる頃になると、父と祖母の微妙な関係が苦々しかった。そして私が祖母の介護をするようになった。家族だから、ばあは私のことが大好きだから、当たり前だった。

中学生の私は祖母をお風呂に入れ、身体を洗い、拭いて、乾燥しないように全身にクリームを塗り、服と靴下を着させてやって、小遣いをもらった。

 

高校生の時にやっと、それが自分のストレスになっていることに気づいた。ばあが私に執着していることにも。そして介護を辞めた。

ばあは泣きながら、直接言って欲しかったと言い捨てた。

 

人間としては、どうしようもない人だったんだと思う。

家族じゃなかったら、相容れないから関わらなかった。

でも、彼女は私の家族だった。

どうしようもない人だったけど、彼女は彼女なりにたくさん私を愛してくれたし示してくれた。

 

死んだから、こんなことが言えるんだ。

生きてたら私は、彼女はどうしようもない人間だと言い続けている。

なぜ死ぬことでこんな簡単に美化されてしまうんだろうな、アホらしい。くだらない。悔しい。

 

末孫でたくさん可愛がってくれた。本当にたくさん可愛がってくれた。たくさん、受け取った。

 

毎回毎回多すぎるお小遣いをくれた。

 

素直に、たくさんの愛をありがとうと言えないことが悲しい。

彼女はもういないから、何を思ったとしても届くわけじゃないから、ばあにありがとうなんて言わないし言えない。

 

生きてる間にもう一回くらい話したかったような気もする。

そしたら嘘でもありがとうって伝えられたのに。

もう何を思っても、何も届かないし、偽善で美化した独りよがりなことを言っても、その空虚に自分がやられるだけなんだ。

嘘でも偽善でもなんでもいいから生きてるばあに大好きってどうにかして伝えればよかったかもしれない。

何年も、私の中から追いやってしまっていたけど、ばあがいて私がいるよって、それくらいのことは本当に思ってるから。

 

別に後悔しているわけじゃない。強がりじゃなく、本当に後悔はしていない。

すこしモヤモヤするだけだ。きっとずっと消えない。消えないでほしい。

 

楽しかったことだけじゃなく、覚えていようと思う。思い出せる範囲で、時々思い出すから。

 

またね、って思ってないから。

私が生きてる限り、彼女は私のおばあちゃんだ

松ヤニ

年が明けて、早いものでもう二月になってしまった

変化と、慌しい年末はとうに終わってしまった

 

クリスマスが終わってからの年の瀬は松の枝がたくさん売れる

来る新しい年に向けて多くの人が花や松を買いにくる

文化はまだ終わっていないらしい

 

毎日松の枝を触り、いらした方々が帰路持ちやすいように英字新聞で包む

店長の手は樹脂でベタベタで、真っ黒だった

 

何が楽しくて、生きているんだろうか

 

大切にしていたはずのものはあっけなくなくなってしまった

 

手放したつもりはない、離れていった

亡くなった分舞い込んできた

 

一度に持てる限界があるのだろうか、そう言わずにたくさん持たせてほしい、なのに、持ちきれずに溢れていってしまう

 

なくなった分、知らなかったことが見えた

私は、気づいていなかったけれど寂しかったのかもしれない

私は私に可哀想なことをしていたのかもしれない

でも、私にとっても、わたしにとっても、大切だと思ったから抱えていたはずだった

 

手に入れたものを失くすのはこわかった

今でもかわらず受け入れられていない、間違いない

あの時の私の意志は消えていない、だから受け入れられないでいることもある

 

ただ、新しく抱えたものは、ベタベタで真っ黒な松ヤニで汚れた手は、酷く美しくて涙が出そうだった

ラブレター

私にとって、言葉は特別だ

特別で大切で心を絞り出さないと紡げない

 

綺麗なものが好きだ。私が綺麗だと感じるものが好きだ。陳腐でも傲慢でも輝いていても綺麗だと感じるものは全て美しい。

静寂も、激情も、距離感も愛していた。愛してたし愛してる。愛してるとはもう言わないけど愛している。

 

表現することを怠ってはいけないと知っていた。でも伝えないでも居られることが心地良かった。

他には無いからじゃなくて、他に同じ物が在っても、太陽が綺麗だった。

恋があってもなくてもずっと綺麗だった。

 

燃え切ってしまう最後のその瞬間まで真っ直ぐ燃やし続けて欲しい。輝いてることなんて気付く間も無く燃えていて欲しい。そうすれば、そうしなくても、そのままで勝手に周りまで照らされる。身勝手に照らしていってしまう。

太陽だから

 

ずっと、静かに輝いている月の方が好きだった。

でも照らしていたのは太陽だと知った。知っていたけど、知っていたつもりだったそれよりも太陽は綺麗だった。

月は身勝手な太陽に照らされていた。

その身勝手さが太陽の美しさなのだ。

 

月が影に隠れている瞬間など気付かず、燃やしていってほしい

こちらなど1ミリも振り向かずに

だから気付かれないように静かに影になりたい

でも、またこっちを向いて照らしてほしいと思ってしまうのだ

 

これは届かないでほしい私からのラブレター

寝たら朝が来るから

吐き出しても溜まっていく一方なのは掻き出せていないからだ。

 

溜まっているのは知ってる。溢れそうになっていることも

 

こんなに弱かっただろうか。私の心は、私の決意は、私は、こんなに弱かったのだろうか。

手先の痺れ、荒い呼吸、肌寒いのにながれる汗、揺れる肩、動悸、これは本当に私の意志で私の身体なのだろうか

 

頑張りたいのに。

 

無理をしているつもりなんてないし私をいじめてるつもりもない、強くなってると思ってるし何より止まりたくない、止まったら進めなくなる

続けたら、続けることが望みだから。なりたい自分がそこにいると信じてる

 

私の意志はそんなに弱くない。私の意志は確信だ。

 

なのになぜついてこないんだろう。何を置いてってしまっているんだろう。

心と身体は一体だから、何かがあべこべになってる、なにかが。何かがわからない

 

私を信じてる愛してる、ついてきて欲しい。横暴かな。

止まるのがこわいよね。止まってもいいと思えないよね。止まってると失望されたもんね。

張り切りすぎてたのかな肩に力入りすぎてた?

私は、頑張れないことを許せない私になってた?

 

許せないかも、たしかに、こわいんだ失望されるのが、あの人にもあの人にも誰にも失望されたくない。私にも

自信なんてどこにもないから、頑張ることで自信つけたかっただけなんだよ

 

瞼が重くても、閉じたら次の瞬間は

 

だから寝たくない。心と身体がばらばらなまま頑張るのはしんどいから

失恋

失恋というものを、久しくしていない。ように思う。

恋を失うには恋が必要なのだ

 

いつからか、恋愛にあまり興を講じなくなった。気の所為かもしれない。本当は求めていたのかも。

別に白黒つけなくてもいいことだ、そんな気がする。

 

私が自らの恋愛思考や性的指向について認識しているのは、サピオセクシュアル/ヘテロセクシュアル/シスジェンダーというところだけだ。今のところは。

変わるかもしれないし増えるかもしれない、もちろん減ることもある。

 

そんなもん、認められてたまるか

と、私によく似た人が言っていた。

 

わかる、わかるけど、認められなければ認めさせなければこの世では行き場がないのだよ。認められるなんてクソだという人間は認めさせなければいいし、認められて初めて救われる人間がいるのならば、言葉や認可はあった方がいいものだと思うのだよ。私は。あくまで私はね。

 

私と真逆のあなたはなんて言うだろうか。何を考えているだろうか。

基本的にここはテレパシーは使えない世界だから、伝えようと試みなければ伝わらない。なのに伝えることを怠るのは私の罪だろうか。

 

伝えたい感情はどこに行ったのだろうか。

 

親しい友人に、不健康だと言われてしまった。

最近の私の行動は動機が不健康らしい。でも、不健康に身を任せたい時だってある。あるんだってば

 

この一年強、私はそれまでとは比べ物にならないくらい多くの人と話した。知ったし、伝えた。

エンパスなのに色んな人と話して、話して話して、吸い込んだ。

私の中に積もり溢れた誰かの感情を私はどうしたらいいのだろう

 

とりあえず、抱きしめて今日も一人で酒を飲む。

 

失うほどの恋がここにあれば、この溢れ出る感情を私のものだけにできるのだろうか